
見えにくい高校留学のいいところ
had better の間違いが、日本人英語として最悪かもしれない。
You had better do it soon「あなたは、それを、さっさとやった方がいいですよ」で、had betterは、「~した方がいい」ということに、長年、なっている。
ところが、そうではない。
このhad betterは、「~しなさい。
しないと、恐いぞー(あとでお仕置きが待っているゾ)」というのが正しい訳である。
日本人は、ほとんどの人が、つまり、大企業の外国営業部の相当の英語使い手までが、このhad better を「~した方がいい」だと信じ込んで使っている。
これが、相手の英語国民にとってショックなのである。
'You'd better correct these minor mistakes'「あなたは、これらの小さな誤りを訂正した方がいいですよ」のつもりで、相手に対して優しく善処を求めて、助言したつもりなのである。
これを言われた英語国民は、一様に。
ムカッと来るはずである。
「ナニー。
私に向かって、善処しろ、しないとあとが恐いぞ、などとよくも言ったな。
この日本人野郎」ということになる。
この事態のものすごさを当の日本人が分かってくれなければ、どうしようもないのである。
hadbetterは使うべきでない表現だが、そのかわりにshouldをどんどん使うとよい。
You should do it at once「それを、早急になさったらいかがですか」となって、shouldは私たちが「べき」だと思っているから、命令口調かと思うとそうではない。
shouldは、相手に対する提言を含んだ上品な表現である。
mustは強すぎる。
You must do it soon「あなたは、それをすぐにやれ」となって、いかにも命令口調であるから好ましくない。
shouldを使うのが、ベストである。
had better は、では、使われない表現かと言うとそうではない。
家庭生活や学校生活ではよく使われる表現である。
お母さんが子供に向かって、あるいは教師が生徒に向かって、You'd better do it at once「すぐにやりなさい。
やらないと恐いわよ」と言うのは、良いのであり、きわめて適切な表現なのである。
だから、これを、大の大人同士で、あるいはビジネスの世界で使ったなら、どういうことになるか、を考えてみるとよい。
端的に言って、had better は、相手に対してかなり、脅迫的な言辞である。
このことを知らないで世界を飛び回っている日本の国際ビジネス・マンをやっている人々のことが心配でならない。
ta walking dictionary (ア・ウォーキング・ディクショナリー)について次は、このようなつまらない語句について言う。
このHe is a walking dictionary「彼は生き字引」だ、という英文。
原意は文字どおり、「彼は歩く辞書だ」で、「彼は博識だ」のつもりであろう。
これも、英語として、今でもあると言えば、あるだろう。
しかし、今の英語国民は、こんなものは使わない。
OALD型カセットプレイヤー)は載っているが、walking dictionaryは載っていない。
Collins COBUILD には、walkingの用法のひとつとしてa humorous usageがあるとだけ書いてある。
「日本にやってきて初めて聞いた奇妙な英語、英文がたくさんあるよ」と私の英米人の友人たちが言う。
「一応、意味は分かる」と言う。
しかし、「やっぱりヘンだよ」と彼らは言うのだ。
そういう表現が、ゴロゴロしているので、それで、私は、分厚い本を一冊作ろうと思いながら、いろんな邪魔が入って、何年も放ったらかしにしてある。
そうこうするうちに、近年、たしかに、『街にあふれるオカシナ日本人英語』というような本も何冊か出版されたように思う。
しかし、それらの本は、マイナーで特殊な本に分類されて、いつの間にか消えてしまった。
「Mother (マザー)についてMotherrお母さん」という表現がある。
大文字のままMotherと使うと、「自分のお母さん」という意味だと教える。
確かに、そういう言い回しをする場合がある。
しかし、やはり、これも、Mother said to me that……「お母さんが言うにはね……」ではなくて、O My mother said to me that……というようにmotherにMyをつけて表記せねばならない。
ある特殊な場合に、確かに、Mother,…という呼びかけの表現がある。
しかし、これだって、普通は、'Hi,mom' (ハイ、マーム)「やあ、お母さん」「あのさ、母さん」あるいは幼児語のMommy(マミー)であろう。
反対に、「お父さん」だったら、普通はDad(グッド)、Daddy(ダディ)である。
大文字のMother (マザー)、Father (ファザー)が、カトリックの尼さんや神父さんを表す表現だということぐらいは日本人だって分かっているのである。
一体、誰がこういう混乱を教育英語の中に広めたのかが分からない。
senior to ……, junior toという「~より年上、年下」という表現を日本では教え続けている。
He is senior to me by three years。これで「彼は、私より3歳年上です」となる、と教える。
これでも間違いではない。
イギリスの老人だちならば、この英語でいいのである。
しかし、イギリスもアメリカも、若者どころか中年の人たちでさえ、上記のsenior toは、使わない。
日常の英語として見ない。
強いて言えば、源氏物語とか、枕草子の世界に相当する英語である。
「彼は私より3歳年上です」は、ごく普通には、He is three years older than me。と使うのである。
彼は、「3歳」「年上」をthreeyearsolder than と、そのまま、並べるだけなのだから、日本人にとっても簡単で合理的な使い方である。
たったこれだけのことを教えない。
知らない。
教え合う力がない。
「私は出かける」「私は家を出発する」を、私たちは、gooutやstartを使うものだと思い込んでいる。
そうではない。
go out をgo out for shopping 「買い物に出かける」やgo out for lunch 「昼メシを食べに出る」と使うならいいのである。
go outは、もともとgo out of the house(office)で、家や会社という建物の「外に出る」という意味である。
「出発する」のstart も使うべきではない。
The car started 「車のエンジンがかかった」のように使うのならいい。
l started home は間違いとは言わないが、かなりヘンである。
startやbeginという基本的な動詞は、The new term started (began)。「新学期が始まった」のように「~が始まる」という自動詞の使い方が基本である。
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